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鎌倉交響楽団 第97回定期演奏会・感想 [♫ 現場より…]

先日の鎌倉交響楽団第97回定期演奏会を聴いた友人から、このような感想をいただきました。 どうもありがとうございました。

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◆小田野氏指揮、鎌倉交響楽団 第97回定期演奏会を、聴きにいってきました。
想像以上の出来ばえで、素直に感動しました。 小田野氏をはじめ、皆様ベテラン・円熟の域に達しているのかなと。
ヴァイオリニスト 戸澤 哲夫氏の音色は、とても繊細で、この方だけでも聴きに行ったかいがありました。
魂に近い仕事に感謝。<A.N>

◆今日の午後は、心に染み渡る音楽に出会うことができました。
コンサートの始めに、「拍手をしない」という約束で演奏された、バッハの「G線上のアリア」を聴きながら、震災にまつわる色々なことに思いを馳せたりしました。
独奏ヴァイオリンの戸澤哲夫氏の端正で深みの感じられる演奏は、別の機会にも聴いてみたくなるものでした。
小田野氏の指揮は、いつもにも増して、音楽に携わる一人の人間としての「思い」や「願い」が、一挙手一投足にまで込められていたように感じられました。
このコンサートを聴けて良かった、というのが、正直な思いです。<Y.I>
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今回は震災の影響が少なからずあり、物理的にも精神的にも苦労の多い演奏会開催となりました。 合宿の中止は痛かったです。
普段なかなか難しい“集中練習”ができる貴重な機会であると同時に、客演指揮者にとっては大勢のメンバーと酒を酌み交わしたっぷり語り合える貴重な機会でもあるからです。
計画停電で予定していた練習場が使えなくなり、急遽他の練習場を手配して練習中止だけは避けられましたが、担当の方のご苦労はどれほどのことだったでしょう。 震災がお仕事にも影響し、練習のみならず本番にも出られなくなった方もいらっしゃいました。

何よりあの地獄の光景から私たちがもらってしまった何とも形容しがたい非常に不快な気持ちが、全ての秩序を微妙に狂わせてしまったようでした。 演奏会開催についても、どれほど議論が重ねられた事でしょう。
私個人としても、本番に向けた仕上がりの遅さを震災のせいにしたくはなく、「鎌倉交響楽団と小田野はこんなもんじゃないぞ!」 と意気込んでみたものの、超名曲プログラムをお客様に本当に楽しんでいただけるかどうか、焦りとプレッシャーに久しぶりに押しつぶされそうになりながら迎えた本番でした。

結果は・・・上記友人のみならず多くの方が「魂」とか「心」という言葉に触れながら喜んでくださいました。 プロアマ問わず演奏をする者にとって【聴いてくださる方の心に語りかけられる】かどうか、これこそが究極の使命であり目的だと信じます。
今回も本番の演奏がベストでしたし、それを成し遂げた鎌倉交響楽団の演奏者としてのパワーは、震災の影響など関係無い、長い歴史を通じて培ったオーケストラとしての蓄積と、メンバー個人個人の音楽に対する愛とが一体となった、まさに「実力」なのだと思います。

ヴァイオリン独奏の戸澤君(あえて「君」と言わせてもらいます)とは15年ぶりの嬉しい再会。 彼が藝大の学生オーケストラのインスペクターをやっていた時に私と一緒にブラームスの2番をやった時の記憶が、まるで泉が湧き出るかのごとくさらさらとクリアに蘇ってきました。
オタッキーな彼はオーケストラの楽器の配置にこだわり、その意図が良くわかるからボクもニヤニヤ喜んで賛同したのが、彼にとっては「親身になって話を聞いてくれた良き先生」と映ったそうです。
お互いに大好きなブラームスの協奏曲を納得し合えて演奏できたのも、私にとって何よりの経験でした。

2011/05/03 18:40 小田野 宏之


http://hiroyukiodano-tayori.blog.so-net.ne.jp/2011-03-27
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