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横浜楽友協会 第32回定期演奏会 “熱演” [♫ 現場より…]

昨年初めてやってみたプレ・トーク、好評だったため今年も再びトライしました。 開演30分前から15分間でしたが、思いのほかたくさんのお客様が熱心に聴いてくださって、びっくりしたと同時に嬉しかったです。

それにしても、今日のステージは暑かった!
神奈川県立音楽堂は、音響の良さは定評がありますが何せ建物が古く、エアコンシステムも少々難有りです。 客席の後方上部から冷気が出るので、ステージに合わせると客席が寒くなってしまうのです(毎回アンケートで指摘を受けています)。 今日はリードの途中から汗が吹き出てきて、シベリウスでは指揮台や譜面台、周りのステージ床に飛び散る自分の汗の量に指揮をしながら驚いていました。 終演後は汗で身体にへばりついた衣装を脱ぐのに苦労し、500mlのペットボトルの水を4本も飲んでしまいました。 この汗だくぶり、ここ数年で一番だったかも。

A. リード アルメニアンダンス Part I
これは35年以上前の曲ですが、おそらく今でも吹奏楽の世界では「定番」の地位を維持しているでしょう。 それだけ有名な曲なのですが、実は楽譜に書かれたテンポ表示について、ちょっと問題があるのです。 リード氏はメトロノーム表示を書いているのですが、いくつかの部分でその表示を守ると、世の中で演奏されているテンポよりだいぶ遅くなるのです。 メトロノーム表示が書かれてもそれは「絶対」ではないので、そういうことはよくあることなのですが、リード氏自身が指揮をした演奏(何種類か録音が残っています)でも、誤差の範囲を大きく超えて3~4割増しで速くなっています。 
演奏家の立場からすると、もし速い演奏が作曲家の望むものならば存命中に楽譜を改訂して欲しかったと思いますし、たとえ「よくある演奏」と雰囲気が違っても、書かれているテンポに近い演奏で作り上げる世界も「あり」かなと言えます。 今回は練習を重ねながらいろいろ試してみて、自分なりのバランスをとってみたつもりです。 演奏者の方々とはお互いに納得したつもりですが、聴いてくださった方々がどういう感想を持たれたか、アンケートを読むのが楽しみです。

P. スパーク  シンフォニエッタ No. 2
この曲は、リードの“アメリカン”とは違う“イングリッシュ”の香りを出したかったのです。 しかし練習中に「サンダーバードの雰囲気で」とか「オースティンの味付けで」などと言っても、大部分の奏者には通じなくて、通じる者同士で笑ってしまいました。

J. シベリウス 交響曲第2番 ニ長調 作品43
交響曲を吹奏楽で演奏する時に、弦楽器が得意とする表現を前にして管楽器の限界に悔しく思うケースや、オーケストラの演奏では気づかなかった響きが管楽器による演奏によって明らかになったり、弦楽器よりも管楽器の方が表現力がある部分に出会ったり… ということがよくあるのですが、今日のシベリウスではやはり、第3楽章の速く細かい音型は管楽器では「参った!」でした。 逆に第2楽章では弦楽器の表現に比べても遜色無い部分が多かったように思えます。 
しかしそれにしても、楽友協会のメンバーの方々の体力には脱帽です! 弦楽器パートを演奏する管楽器の「演奏に必要なエネルギー」は、特にこのシベリウスではかなり大きいのです。

アンコール曲: 佐藤直紀 『龍馬伝』オープニングテーマ
これは名演だったと思います(自画自賛ですみません)。 しかしあの「ダガダガダガダガ!」という終わり方に対して、どういうタイミングで拍手をしていいのかわからない、というのがよくわかりました。 「ダガダガダガダガ!」の後にしばらく続いた沈黙の数秒間が、指揮者としては結構辛かったです。
2010/06/06 23:55 小田野宏之


【参考】オーケストラ用の曲⇒吹奏楽 どうやって“変換”するの?
http://yps.at.webry.info/200906/article_1.html
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CHIZURU NAKAJIMA

 初投稿はとってもハードルが高いのですが、思い切って送ってみます。
(^◇^)

今年は音楽堂に作業服の謎のおじさんがウロウロしていました。何やら謎の機械を手にしながら、あちらこちらを計測している様子。私に「舞台は暑い?」と聞くので「とっても暑いです」と答えますと「なるべく舞台を冷やしたいけれど、客席が寒くなっちゃうんだよな~」と話されていました。「そうですよね、アンケートに毎年寒いって書いてありますよ~」って言ってしまったんです。
(゜_゜)

例年より、お客様主体の温度調整だったのかも??・・・・
すみませ~~~~ん
(T_T)


北欧を表現するのには、客席も寒いくらいの方が良かったですね・・・・きっと・・・・・。
)(>_<)(

 お湯が温まるまでちょっと時間のかかるシャワー室は有るそうなので、次回も音楽堂の場合にはご用意させていただきます!!
<(_ _)>

アンケート集計も担当者が急ピッチで進めており、もうじきお手元にお届け出来るかと思いますが、私の元に友人から「指揮の人カッコいいね~」と絶賛の感想が複数ありました。「写真より実物の方がぜんぜんカッコいいね~」との事でした。演奏の感想はまったくもらえない友人ばかりです・・・。
(@_@;)???♪♪♪~

by CHIZURU NAKAJIMA (2010-06-13 01:27) 

POTARO

ド頭を外したラッパ吹きです。なんと先生がSo-netブログにいらっしゃるとは!!と言うことで今後ともフォローさせて頂きます。よろしくお願いします。
(nice!! は出来ないんですね。)
by POTARO (2010-06-14 22:02) 

うたえもん

はじめまして。
・・・ありゃりゃ?
ネットサーフしてたら発見(?!)しました!
センセにはいつも京都でお世話になっておりまする。m(_ _)m

これから・ちょくちょく(?)お邪魔させて下さいませ~


by うたえもん (2010-06-15 18:18) 

オデンヤ

このブログを立ち上げた時には、錆びたり苔が生えたりしないように、しかしひっそりとやってみようと安易な気持ちで(!)始めたのですが、こうやってみなさんに「見つかって」しまうと隠れてはいられませんね。
しかし私は気まぐれ人間。全国に神出鬼没、ブログのコメントも不定期出演、ちょっと錆が出るくらいの方がオジサン味があっていいかもしれませんね。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
(本当はここで顔文字なのでしょうが、オジサンにはできません。悪しからず。)
by オデンヤ (2010-06-15 22:36) 

nemurineko

>皆々様
ご訪問&コメント、どうもありがとうございます!
まだまだ試行錯誤中ですが宜しくお願い申し上げます。

>POTARO さま
すみません… nice! はso-netブログユーザー以外の方に不公平になるので非表示にしてあります。
オデンヤ先生もコメント欄では“GUEST”になります、ややこしくてごめんなさい。

>オデンヤ先生
か、顔文字は… 単なる個人的趣味なんですぅ。
笑って見逃して?やって下さいまし…
by nemurineko (2010-06-15 23:24) 

C.N

>nemurinekoさん
ご心配いただいてしまいましたが、顔文字は”きゃぴきゃぴ”若者が表現に乏しい文に付加したPやf といった交通整理アイテム。

”きゃぴきゃぴ”の私に免じて苦笑いしつつ見逃してくださっていると・・・・dim. ←流行るでしょうか。
by C.N (2010-06-16 12:06) 

nemurineko

>C.N さま
いやいや「個人的趣味」とは私のことデス~orz
ついオデンヤ先生へのメールにも付けてしまうんで(汗)

C.N さまの顔文字は、多彩で表現力豊かで感心いたしました♪  p に、f に、dim. と… さすが! 音楽業界では流行るかもですね?

by nemurineko (2010-06-16 16:27) 

C.N

>nemurinekoさま

ここだけの話 > p 「耳をダンボにして・・」っていうのも私が考えたんですよ~。いつの間にか独り歩きしてました。
というわけで、< ff 流行ったらここからですから~。証言してfff 下さいね!!
by C.N (2010-06-16 20:26) 

nemurineko

>C.N さま

f えぇえーっ? ff ホンマですか~! fff すんごい才能♪

証言☆了解ですぅ (。・ω・)ノ゙
by nemurineko (2010-06-16 21:10) 

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